厄祭戦とダインスレイヴの関係に見る、カイエル家

またまた会報の寄稿を頂きました。

ありがたい……ありがたすぎる……私が最近何もしてなくてちょっと申し訳ない感もありますが、それはそれとして謹んで掲載させて頂こうと思います。

ではどうぞ。


こんにちは。前回「【番外編】セブンスターズの家紋について」の会報を投稿させていただいたフェリクスです。

今回、アグニ会の同志であるみっつーさんの会報を読ませていただき私も、現在のギャラルホルンにカイエル家が存在しない理由をダインスレイヴと関連付けて会報として投稿させていただきました。


初めに、カイエル家を語るにはやはり、アグニカ・カイエルと厄祭戦について軽く触れておきたいと思います。

アグニカ・カイエルについては管理人N様が会報「アグニカ・カイエルとは」にまとめてあるように

・厄祭戦時はガンダム・バエルのパイロットであった


・MSとの一体化を果たした


・ギャラルホルンの前身組織の代表であり、アグニカの父も所属しており更にガンダム・フレームの開発者もアグニカの父(父の造ったガンダムに乗る・・・アグニカの圧倒的主人公属性の一つ笑)


・ギャラルホルンの創始者


・性格的には熱血漢


といった情報があります。


そしてカイエル家を語る上で、興味深い点として本編第44話のラスタルのセリフ「しかし伝説と歴史とは似て非なるもの。ギャラルホルンは確かにアグニカ・カイエルから始まった。だがその歴史はアグニカ不在の中で作られたものだ」というものがあります。

また本編22話のマッキーのセリフ「人間であることを捨て人間を救った救世主たち、彼らは後にギャラルホルンと呼ばれる組織となった」というものもあり、そしてHG〈ガンダム・バエル〉の説明書にある「MSとの一体化を果たした」といった説明等からセブンスターズの中にカイエル家が存在しない結論として、「バエルとアグニカが融合した」からと考えました。

つまりアグニカは最終的にバエルの生体ユニットとなり、阿頼耶識でバエルと繋がっている時以外は完全に廃人となってしまった結果、子孫を残せる機能が失われてしまったという少し悲しい考察です。


そしてこの仮説を裏付ける存在が三日月です。彼はアインとハシュマルとの戦闘の結果、脳の半分の機能をバルバトスに持っていかれ、阿頼耶識に繋がっている時以外は半分廃人となってしまいました。

これは、三日月の阿頼耶識が粗悪なものであったというよりも阿頼耶識というものが、そもそもモビルスーツの運動性を最大限に高めるシステムである以上は搭乗者の脳に膨大な負担を強いるのは仕方がないのかも知れません。


そこでそういった欠点を克服しつつも、確実にモビルアーマーを殲滅するために開発されたのがダインスレイヴではないかと考えました。その証拠にガンダム・フラウロスやキマリス・ヴィダール、ガンダム・ガミジンなどにはダインスレイヴが搭載されており、搭乗者の技量とダインスレイヴの圧倒的な破壊力によってモビルアーマーの一瞬の隙をついて、一撃で葬り去ったのではないかと考えられます。

ちなみに「鉄血のオルフェンズ メカニック&ワールド弍」には厄祭戦のモビルアーマーとの戦い方について書かれており、それによれば、モビルアーマーとの戦闘は主に宇宙方面と地球・月・火星といった地上方面に分かれており宇宙ではダインスレイヴ部隊が、地上ではガンダム部隊がそれぞれモビルアーマーと戦ったようです。

また、この本ではダインスレイヴのデメリットとして


①無誘導のため軌道を読まれ回避されやすい

②周囲に甚大な被害をもたらす

の2点が挙げられていました。


確かに本編でも、マッキーやシノはダインスレイヴの軌道を見切り、何かしらの行動をとることができ、最終話の鉄華団本部を壊滅させたダインスレイヴも周囲に甚大な被害をもたらし、ラスタルはノブリスを使って火星のマスコミの報道規制をせざるを得ませんでした。


(※ちなみにこうした宇宙・地上の方面分けが行われたのは、月面に巣食うモビルアーマーをダインスレイヴによって倒すも月の形状が変わる程の甚大な被害を与えてしまったのが原因のようです)

以上のことから私なりに何故、厄祭戦後のギャラルホルンにカイエル家が存在しないのかについて考察してみた次第です。極端に言うとバエルにアグニカの魂が本当に宿っているよ〜という仮説です。


また、これはみっつーさんの『アグニカ・カイエル処刑説』とは異なってしまいますが

セブンスターズの始祖達は結構、仲が良かったのではないかと個人的には考えています。

例えば、本編でカルタ・イシューや彼女の親衛隊が使っていた「長蛇の陣」や「鶴翼の陣」などは巷でも噂されているように、対モビルアーマー用の陣形であり初代イシュー家の当主は、実は軍師タイプでその戦略・戦術でモビルアーマ撃破に多大な貢献をし、セブンスターズ首席となったのではなのかなぁという妄想をしたりします。

そして、アグニカ・カイエルの性格は熱血漢であり、そういった彼のカリスマ性に惹かれてセブンスターズの始祖達が集まり、その圧倒的な強さで皆を引っ張っていきながらも徐々にアグニカ自身は人間らしさを失い、それでも彼はモビルアーマから世界を人類を救い、そして人ではなくなってしまったのではないでしょうか?

そうした彼の背中を見てきたセブンスターズの始祖達はカイエル家をいわば永久欠番のようにして、ギャラルホルンのバエルの祭壇にアグニカ・カイエルの象徴であるガンダム・バエルを安置したのではないかと個人的に思いました。


大変長くなってしまいましたが、以上会報とさせていただきます。


(記:フェリクス)


参考文献

「鉄血のオルフェンズ メカニック&ワールド弍」


前々回に引き続き、素晴らしい考察をありがとうございました。

ダインスレイヴを始めとする厄祭戦時代の戦場の様子や作戦などに関する情報や考察と絡めながら、アグニカ・カイエル個人や初代セブンスターズとアグニカの関係にも迫って頂きました。

読みながら厄祭戦の解像度が上がっていくような感覚になりました。


鉄血世界の月がボロボロになってる原因などは設定が色々ブレてるところもあるので、その辺りは何とも言えないようには思いますが、それはともかく。

やっぱりアグニカと初代セブンスターズとの関係性については謎も多く、考察し甲斐がある部分ですよね。

個人的にはフェリクスさんと同じく仲良かった説を推したい。

ギャラルホルンができるまでに様々な葛藤や厳しい選択があって、みんなどんどん曇って行ったんだろうなと思うと……その……良いですよね……(悪趣味)


自分を犠牲にしながら人類が生き残る未来を切り開いた英雄か、それとも力に取り憑かれたりしたのか───アグニカ・カイエルという存在には、やはり様々な解釈があって、謎めいているからこその魅力というものもあるように感じますね。

鉄オルGのサービスが開始され、ガミジン絡みで初代セブンスターズの実名も出てきたりしているので、いつかアグニカ・カイエル本人が出て来ることもあるかもしれませんが、永遠に謎のままでもそれはそれで良いのではないのではないかなと思う今日この頃。


ともあれ、会員の方に独自の考察を披露して頂いて、それを元に他の方の考察もお聞きできるというのは嬉しいですし、とても楽しいなと思っております。

アグニ観が研ぎ澄まされ、高まっていってる感じがすごくする……とても素晴らしい……


改めまして、寄稿ありがとうございました。

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(記:管理人N)