【考察】戦後のギャラルホルンと火星

バエルに関係有るのか無いのか、微妙によく分からない今回のテーマ。

厄祭戦の詳細と戦後のことが本編中でほぼ語られなかったのは残念ながら言うまでもないのですが、一期の第四話「命の値段」のAパート終了直前に、その辺りの設定が明かされていたりします。

シーンとしてはマクギリスとガエリオが鉄華団本部の近くを訪れ、数日前に一個中隊が出撃して云々と語る――という所ですが、演出で英文がズラーとスクロールするという場面が有ります。

一瞬かつ英語なせいで面倒なことこの上無いんですが、全文が以下の通りです。





P.D.0001

The nations of Earth and Mars accept the "Vingolf Proclamation" issued by Gjallarhorn.

The interplanetary war that has spread destruction through the Earth Sphere and the Outer Sphere comes to an end.

This conflict, which has produced more casualties than any in history, is described in the proclamation as the "Calamity War" and known by that name.


With the cooperation of Gjallarhorn, Earth is organized into four economic blocs in order to reconstruct the devastated Earth Sphere.

These are African Union, the Oceanian Federation, SAU, and Arbrau.

Earth begins its post-war recovery under this new world order.



P.D.0002

At the "Malta Conference," the four economic blocs conclude a treaty to divide and rule Mars.

At their request, Gjallarhorn dispatches a large force to recreate the Martian governmental structure from scratch.



P.D.0003

Gjallarhorn redraws Mars's national borders, and each city is placed under the control of one of Earth's economic blocs.

The four economic force to recreate the Martian governmental structure from scratch.

blocs begin wholeheartedly interfering in Martian affairs, and Mars enters a lengthy colonial period.



P.D.0205

Arbrau's government grants limited autonomy to its Martian territories.



P.D.0208

The Oceanian Federation also recognizes the autonomy of its Martian territories.



P.D.0236

Last pf all, the African Union also recognizes Martian autonomy.

However, as Mars remains subject to harsh economic agreements, it is in fact entering an era of puppet governments.



P.D.0312

On Mars, a movement begins to protest economic disparities with Earth.



P.D.0314

In her speech at the "Noachis July Assembly," Kudelia Aina Bernstein calls for economic independence from Earth, and cooperative movements emerge in every city.





うん。☆分☆か☆ら☆ん☆

なので翻訳サイトにかけ、表現や言葉を修正した日本語訳を下に載せておきます。





P.D.0001年

地球と火星の国々は、ギャラルホルンが発した「ヴィーンゴールヴ宣言」を受け入れる。

これにより、地球圏と圏外圏に破壊を広げた惑星間戦争は、終焉を迎えた。

史上最多の犠牲者を出したこの戦争は、宣言では「厄祭戦」と呼称され、その名で知られている。


ギャラルホルンの協力を得て、荒廃した地球圏を再建する為に、地球では四つの経済圏が組織された。

それがアフリカンユニオン、オセアニア連邦、SAU、アーブラウの四大経済圏である。

地球はこの新しい世界秩序の下で、戦後の復興を開始する。



P.D.0002年

「マルタ会議」で、四大経済圏は火星を分割統治する条約を締結する。

要請を受け、ギャラルホルンは火星の統治体制を一から築き直す為、大軍を派遣。



P.D.0003年

ギャラルホルンは火星の国境線を引き直し、各都市はそれぞれ経済圏の支配下に置かれた。

四大経済圏が火星の政府機構を一から作り直し、火星に全面的な介入を開始し、火星は長きに渡る植民地時代を迎える。



P.D.0205年

アーブラウ政府が、火星の領土に限定的な自治権を認める。



P.D.0208年

オセアニア連邦も火星の領土の自治権を認可する。



P.D.0236年

最後に、アフリカンユニオンも火星の自治を認めている。

しかし、火星は依然として厳しい経済協定の対象となっており、実際には傀儡政権による自治の時代に突入した。



P.D.0312年

火星では、地球との経済格差に対する抗議運動が開始される。



P.D.0314年

「ノアキスの七月会議」において、クーデリア・藍那・バーンスタインが地球からの経済的独立を訴えたことで、各都市での協力運動が発生する。





―――と、いう訳で。

戦後のギャラルホルンと火星を巡る出来事の概略を、この英文から読み取ることが可能です。


なお、文中の「ヴィーンゴールヴ宣言」は、ギャラルホルンが地球本部「ヴィーンゴールヴ」から、「厄祭戦の終結」を発表したモノです。この書きぶりから、「厄祭戦」という呼称はこの宣言が初出である模様。

史上最多の犠牲者、は具体的に言うと、当時の総人口の四分の一とされています。母数が分からないので何とも言えないんですが、一年戦争よりはマシなんじゃねぇかな……?(文明レベル後退してるんですがそれは)


それと、最も重要なのは「惑星間戦争」という一文でしょう。

P.D.0002年以降に火星の分割統治(という名の植民地化)が行われていることから、厄祭戦が「人類VSモビルアーマー」であると同時に、「地球と火星の間で勃発した戦争」であったことが読み取れます。

勃発の原因には「エイハブ・リアクター」が一枚噛んでいるとされているので、この半永久的エネルギー源を巡って何かしらの問題が発生した、と考えるのが自然かと思われる。

また、兵器の無人化の極地がモビルアーマーなので、恐らくは地球と火星のどちらかが切り札として開発したのでしょう。それが暴走して虐殺を始めたので、人類はモビルスーツを開発し、ギャラルホルンの前身組織は「ガンダム・フレーム」を戦線投入したと。


また、四大経済圏の発足はギャラルホルンの主導で行われ、ギャラルホルンが世界秩序維持の暴力装置として成立したのも、この時期だと推測されます。


「マルタ会議」は詳細不明。

この文に有る通り、四大経済圏による火星の分割統治が決定された会議―――らしいですが、それ以外は謎の会議です。

個人の推測としては、ダインスレイヴなどの兵器の禁止条約が締結されたのもこの会議ではないか? と勝手に思っていたりしますが。


この会議の決定で、ギャラルホルンは大軍を火星に派遣し、驚くべきことに国境線の引き直し権まで獲得しています。

戦後間もなくのギャラルホルン、となればアグニカ・カイエルや初代セブンスターズが存命している可能性が高いので、戦力的にはまさに敵無しでしょうが――だとしても、凄まじい権利を得ている。

腐敗前なので公正公平にやったんでしょうが、もしかすれば四大経済圏との癒着など、腐敗の源泉はここかも知れない……?

火星が分割統治に大人しく従ったかは定かではありませんが、まあ大軍を派遣してる以上、反抗勢力は全て武力で捻り潰したのでしょう。


それから二百年間、火星は完全なる植民地。

アーブラウが最初に自治権を認めていることから、元々アーブラウは他の経済圏に比べて融和的な姿勢を保持していた経済圏なんですかね?

クーデリアさんが火星ハーフメタルの輸出規制解除に際して、アーブラウに目を付けたのは、この辺りの歴史が有ったから……と考えれば、確かに納得は行きますが。

傀儡政権が出来上がった、とありますが、この辺りは本編中だとあまり触れられていませんでしたね。こっから百年の間に無くなって、本編開始時点で無政府状態になってるとは考えにくいので、もっとしっかり描いてほしかった所ではあります。


そして、この後で登場するのが、みんな大好きクーデリア・藍那・バーンスタインのお嬢さん。

「ノアキスの七月会議」は、本編開始前にノアキスと言う街に火星全土の運動家が集い、クーデリアさんが「革命の乙女」として名を挙げるきっかけとなった会議ですね。名前からして七月にやってそう。

この会議の演説で、無名だったクーデリアさんは一癖も二癖も有る火星の運動家を纏め上げてみせ、一気に注目を集めました。

なお、この会議にクーデリアを出させたのが二期序盤に登場する活動団体「テラ・リベリオニス」のアリウム・ギョウジャンで、その裏にいて後に直接クーデリアの支援に回るのがノブリス・ゴルドン。

これで名を挙げたことで、クーデリアさんはアーブラウ代表の蒔苗東護ノ介と接触して、火星ハーフメタル輸出規制の解除の為に交渉することで合意し、地球に向かうことになります。

その護衛として選ばれたのがCGSの参番組、後の「鉄華団」――という感じで、本編に繋がる訳ですね。


という訳で、今回は設定紹介と簡単な考察でした。

実は過去最高の字数を記録しましたが、ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

厄祭戦の中身やその中でのギャラルホルンの前身組織の立ち位置など、いくらでも考察が並べられる場所は有りますが、そこは皆様のイマジネーションに期待しておきますぜ。


どんどんバエルから離れてる気がしないでもない


(記:管理人N)

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コメント: 1
  • #1

    匿名会員 (木曜日, 17 9月 2020 20:30)

    惑星間戦争がどんなものかはわからないですがもしかしたらそこでキマリスの胸のアレが使われたりしたのかもしれない…と会報読んでて思いました
    実のところはわからないですが